第58回 戴帽式

本日(4月26日)は第58回戴帽式が行われました。

戴帽生代表挨拶

 新緑の美しい季節を迎えたこの良き日に、私たち看護学科基礎課程二年一二九名は、晴れて戴帽式を迎えることができました。 
 看護師の証である白衣をまとい、ナースキャップを戴いた今、患者様の命を預かる看護師としての責任の重さを感じています。 
 看護師になる決意を胸に、この鳳凰高校に入学して、まだわずか一年ですが、この日にたどり着くまでには楽しいことばかりではなく、乗り越えてきた、多くの壁がありました。 
 それは、親元を離れての寮生活、看護教科の聞きなれない言葉、小さな中学校から大規模校での複雑な人間関係など。
 確かにこれまで友人もでき、互いに笑いあい切磋琢磨した楽しい時間もありました。しかし、それと同じ分だけ流した涙もありました。 
 取り分け、親には電話先で泣きながら悩みを語り、多くの心配をかけました。 だからこそ、戴帽式に臨んでいる今がとても幸せで、心の底から喜びがわいてきます。そして、感謝の気持ちでいっぱいです。 
 私事で恐縮ですが、この場をお借りして、私が看護師を志す理由を話させていただきます。私には中学一年生と小学六年生の二人の妹がいます。 
 二人とも「色素性乾皮症」という持病があります。太陽の光をあびると体中にしみができ、皮膚がんを発症する可能性が高い疾病です。 
 また、日常の行動制限が伴う神経症状も次々と出現するというものです。 
 病気の進行は速く、多くの患者様が二十歳から三十歳の若さで亡くなるといわれています。「色素性乾皮症」は、治療法も確立していない、治らない病気なのです。  
 私の妹たちにも、日を追うごとに、つらい症状がでてきています。 
 しかし、妹たちは不自由な身体状況でありながら、私のことを気遣って「がんばらんとね」など応援の言葉をくれます。 
 この日常にかけてくれる言葉は、私の生きる原動力になっています。  
 できることなら、私が妹たちの人生を充実したものにしてあげたい。 
 病気のために同年代の子供たちと一緒に活動ができない、そんな不自由な状況を少しでも変えてあげたい。 
 また、皮膚が弱く、顔などの外見に変化が生じると、心無い人から笑われたり中傷されたり。
 私は妹たちを守る強い盾になりたい。  
 私はいつしか、病気のことを理解し看護の技術をマスターして、 妹たちのために生きていきたいと思うようになっていました。
 これが、私が看護師の道を志した理由です。
 私は患者様の気持ちに寄り添う看護師を目指しています。
 その病気に罹患しないと当事者のことはわからないとあきらめないで、患者様の気持ちに近づく努力をする看護師になりたいのです。
 以前私が友人に妹のことを相談したとき、軽くあしらわれてしまい私の苦しみは誰にもわかってもらえないという悲しみを感じたことがありました。
 私は患者様とその家族の不安や悲しみや希望に寄り添うそんな感性を持った人間になりたいです。
 幸い私には同じ志を持つ仲間がいます。それがここに集う二十三期生です。 
 あこがれのナースキャップを戴いた今、私たち二十三期生は、看護師になる決意を新たにし、自分自身を見つめなおします。
 それぞれが看護師になるきっかけを大切にし、初心を忘れないように心がけます。 
 二十三期生は今までで一番人数の少ない学年です。
 しかし、一人一人の情熱とチームワークは、抜群であると自負しています。
 私たちの戴帽式のスローガンは「最少で最上を」です。
 私たちは団結します。どこにいっても鳳凰高校の生徒であることに誇りを持った行動をし、多くの人から応援される人間になることを誓います。  

看護学科基礎課程2年生が白衣を身にまといナースキャップを戴き、看護の基礎を習得し臨地実習や更なる専門的な学習に力を注いでいくことを全員で誓いました。

23期生の皆さんは「最少で最上を」というスローガンのもと、実行委員を中心に練習に励んできました。
129人全員で一つの目標に向かって頑張ったこの経験を忘れず、看護師の夢に向かって歩んでほしいと思います。

本日は戴帽おめでとうございます。